自社でキッティング作業を行う場合、往々にして情シス部門にとって大きな負荷となります。
近年は企業で使用するソフトウェアやアプリケーションも多いことから、インストールや設定作業に要する時間も増大傾向にあります。大企業にもなると、一度のPC導入台数もまた大規模になるため、キッティングには多くの時間や場所、人員が求められ、その捻出に情シス部門は頭を悩ませることになるでしょう。 現在はクローニングやプロビジョニングなどのPCを大量にキッティングするための手法やAutoPilotのような設定自動化ツールも登場していますが、これらは作業のための専門知識や環境が必要であったり、すべての設定を実施できるわけではなかったりするため、作業負荷を完全に解消するものではありません。
もしくは、情シス部門ではなく、利用者自身にキッティングを実施させる選択肢もあるかもしれません。しかし、その場合は利用者の業務時間を使っての作業になるため、長時間その利用者の本来の業務を止めてしまう点、そして不慣れな作業により不具合を発生させ、結局情シス部門が対応せざるを得ない状況を生みかねない点などが懸念されます。更に言えば、利用者側としては、すぐに使える状態でPCを配布してほしい、というのが本音でしょうから、利用者に作業をさせるとなると、情シス部門への不満を生じさせかねない、という問題も起こり得ます。となると、情シス部門としてもこの手段は採用しにくいものでしょう。
昨今の情シス部門は、DX対応や社内インフラの運用管理などの数多くの業務を抱える中で、キッティング業務ばかりに手を取られるわけにはいきません。他の重要な業務に集中するためにも、このような負荷の大きい業務を効率的に行う方法を探す必要があります。
この課題の解決のために、外部にキッティング業務をアウトソーシングしてしまうのは有効な一手でしょう。昨年当社が従業員500人以上の中堅~大企業の社用PC担当部門に対して実施したアンケートにおいても、PCの調達から処分までのライフサイクルの一連の流れの中で、キッティング(セットアップ)作業を最もアウトソーシングしたい業務として挙げられており、多くの企業がアウトソーシングを検討していることが分かります。
三菱HCキャピタルITパートナーズ「Windows 11導入実態調査レポート」(2023年版)より抜粋
キッティングは定型かつ定期的に発生するもので、委託範囲を確定しやすい業務です。また、ITに特化したシステム会社などだけでなく、PCメーカーやITベンダーなどもキッティングのアウトソーシングサービスを扱っており、アウトソーシング先の選択肢も多いです。
では、アウトソーシングを行うなら、どのような業者を検討するのが良いのでしょうか。
ここで重要なのは、キッティング業務の部分だけで判断せず、PCのライフサイクル全体で判断する、ということです。たとえば、もしPCのキッティング料金が安く、またサービスレベルも高い業者が居たとしても、PCの調達先、リース契約先、保守業者、処分業者などがすべて別々の業者であった場合、各社と契約したり、PCを移送したりせねばならず、結果として費用や工数は相当なものとなってしまいます。
そこで、キッティング作業をPCレンタル会社に依頼するのがおすすめです。PCレンタル会社は、多くの場合キッティングサービスを自社サービスとして保有しており、またキッティングに特化した専門のスタッフとサービスセンターを抱えているため、高品質なサービス提供が可能です。
さらに、PCレンタル会社はPC提供だけではなく、PCライフサイクル全体をサポートするサービスも提供しています。これにより、情シス部門はPCの調達やメンテナンス、廃棄処理などの手続きを一括して依頼することができます。レンタル会社との契約に基づいて、必要な周期でPCの更新、保守作業を依頼することができるため、業務の効率化につながります。