J.フロント リテイリング株式会社
グループシステム統括部 システム企画部
西村 勉 氏(左)
脇 唯子 氏(右)
J.フロント リテイリング株式会社(以下、JFR)様は、全国主要都市に店舗を展開する大丸松坂屋百貨店やPARCOなどを傘下に持つ持株会社で、百貨店事業、ショッピングセンター事業以外にも、デベロッパー事業、決済・金融事業、卸売業などを展開しています。また、同社のグループシステム統括部は、ネットワークや端末管理、認証の仕組みなど、グループ会社のITインフラを同じレベルに統制する役割を担っています。
三菱HCキャピタルITパートナーズでは、2022年よりすべてのJFRグループ企業様に向けたPCLCMサービスを、協業企業様と共に提供させていただいております。今回は、西村様と脇様に、三菱HCキャピタルITパートナーズのサービスを導入するに至った経緯とその効果についておうかがいします。
J.フロント リテイリング株式会社様「PCLCMサービス」導入効果
- 1台当たり4時間を要していた導入時の作業時間がゼロに
- PCメーカーごとに分散していた問い合わせ窓口が一本化
- 新規のみならず既存PCの情報も一元管理が可能に
- 複雑な事業形態や契約内容にも柔軟に対応
- 積極的に意見や提案をしてくれるパートナーとして信頼
「PCLCMサービス」導入前の課題
グループ会社ごとの調達が、PC管理運用の負担を増やす。
西村氏 PCの管理運用に関して、JFRグループでは3つの課題を抱えていました。
1つ目は「PCの調達先や保守の契約先が分散している点」です。JFRグループは業務内容が多岐にわたるため、多種多様なPCが必要です。これをグループ会社が、それぞれのタイミングで独自に調達を繰り返した結果、調達先が分散してしまい、保守の運用が複雑化していました。PCによって買い取りやリース契約年数、契約先などもまちまちで、解約やリース満了、故障の対応を行う際には、その都度契約内容を確認しなければならず、担当者の大きな負担となっていました。
2つ目は「棚卸に多大な労力がかかる点」です。以前は、ExcelやAccessベースでPCを管理していました。ただ、グループ会社それぞれが独自に管理しており、情報の更新頻度もまちまちだったので、グループ全体のIT資産を棚卸するには数か月もの時間を要していました。
3つ目は「PC調達にコストと時間がかかる」点です。以前は、保守の内容も統一されておらず、かかるコストも高止まりしていました。調達したPCのキッティングは、当社のグループ会社にて行っていましたが、人手が足りずに作業が滞りがちで、依頼から納品されるまで大変時間を要していました。
脇氏 PCの管理は、Accessで作った独自開発のシステムを利用していました。ただ、当然ですが、そのシステムはAccessがインストールされているPCからしか利用できません。インストールされていたとしても、バージョンが異なれば使えなかったり不具合が生じたりと、正直あまり使い勝手が良いシステムではありませんでした。
西村氏 私たちJFRグループでは、全体で約12,000台のPCを利用しています。これだけの台数を、ExcelやAccessで管理するのは限界がある、と感じていました。2022年に約半数の5,000台を更新する予定だったこともあり、このタイミングで、昨今主流になっているPCライフサイクルマネジメント(PCLCM)の考えを取り入れた新しい仕組みに移行しようと考えました。
三菱HCキャピタルITパートナーズの提案を受けるに至った経緯
PCLCMのすべてを任せるため、たどり着いた三菱HCキャピタルITパートナーズのWebサイト。
西村氏 新しい仕組みを構築するために、これまで自社グループ内で行ってきたPC調達と管理運用のすべてをお任せできるパートナーを探すことになりました。
最初は、いままでお付き合いのあった方々に相談してみたのですが、PCLCMの全行程に対応してくれるところはあまり多くはありませんでした。そこで、「どうせ新しいことをやるのだから、新しいところにも声をかけてみよう」と考え、PC管理やPCLCMなどをキーワードに検索してみて、三菱HCキャピタルITパートナーズさんのWebサイトにたどり着いたんです。Webサイトを拝見すると、「PCの調達から導入、運用、処分、IT資産管理に至るまでをトータルでサポート」とあったので、さっそくWebサイトの問い合わせフォームに私たちのやりたいことを書いて送信してみました。三菱HCキャピタルITパートナーズさんとはそこからお付き合いが始まったのです。お話を聞くと、私たちが必要としていることはおおよそ対応できそうとの感触を得たので、パートナー候補リストに加えることにしました。
既存PCもまとめて資産管理、「DREAMS」の運用が光った。
西村氏 結果的に、三菱HCキャピタルITパートナーズさんも含めて3〜4社にコンペを依頼しました。一次候補はもっと多かったのですが、今回のプロジェクトはグループ会社を横断して行うこともあり、契約形態や予算の割り当てなどが複雑になるので、そのスキームに対応できるかどうかで候補がかなり絞られました。
コンペ時にお願いした条件は、「PCLCMのすべてをお願いできること」、「必要なスペックの機種を幅広くご提案いただけること」、そして「運用をどの程度、融通をきかせていただけるか」などでした。PCLCMをグループ内で行えば、コストと手間はかかる一方で、運用の融通はききます。外部に依頼してコストと手間が削減できても、きめの細かい管理運用が失われてしまえば、それは望ましい結果とは言えないと考えていました。
そして、コンペに参加いただいた方々の中で総合的に見て、三菱HCキャピタルITパートナーズさんの提案が最適だと判断しました。私たちのグループは、異なる業態を持つ企業の集合体であるため、運用が複雑になりがちなのですが、三菱HCキャピタルITパートナーズさんのご提案では、その最大公約数となる運用フローを高いレベルで構築していただけました。
もうひとつ魅力的だったのは、新規調達するPCだけではなく、既存のPCについてもクラウド型Webアプリケーションで一元管理が可能だった点です。コンペでは、新規調達のPCについてWebベースで資産管理可能な仕組みを、併せて提案してもらうこととしていました。そのため、既存調達のPCは従来の管理方法が残ってしまうだろうと覚悟していました。ですが、三菱HCキャピタルITパートナーズさんのIT資産管理サービス「DREAMS」を利用すれば、既存調達のPCについても同時に管理することが可能で、登録作業も三菱HCキャピタルITパートナーズさんにお願いできるという提案を受け、これも選定の大きな決め手となりました。
脇氏 「DREAMS」については、ご提案時に詳しいデモを行っていただいたおかげで、どういう運用なのかが非常にイメージしやすかったです。これまでExcelやAccessベースで管理してきたので、Webブラウザからシステムにアクセスできる様子を見て、「これなら使いやすそう」と感じていました。
端末管理ツールで収集した新規・既存PCの資産情報を「DREAMS」に定期的に反映しています。
「PCLCMサービス」導入後の効果
保守運用窓口が三菱HCキャピタルITパートナーズに一本化、PCの管理運用業務を大幅削減。
西村氏 今回のプロジェクトはまだ進行中で、完全に移行が終わるにはもう少し時間がかかります。ですが、現段階で当初やりたかったことの8割はできていると感じています。以前と比べると、現場の負担も大きく減りました。三菱HCキャピタルITパートナーズさんにお願いする前は、管理簿に登録したり実機にラベリングしたりなどの導入時の作業に、1台当たり4時間ほど要していましたが、それが完全になくなりました。ほかにも、調達時の保守契約、故障時の回収、データ消去など、PCLCMに関するほぼすべてを三菱HCキャピタルITパートナーズさんにお任せしたことで、「PCの調達先や保守の契約先の分散」や「調達にかかる時間とコスト」の課題は解消に向かいつつあります。また、「PC資産の棚卸」についても、端末管理ツールで収集した情報を、「DREAMS」に定期的に反映してもらっているので、ExcelやAccessと格闘していたころと比べると、かなり楽になりました。
脇氏 調達から修理・回収まで、すべての窓口が三菱HCキャピタルITパートナーズさんに一本化された点に、一番の効果を感じています。以前は、複数メーカーの機種があったため保守契約の内容や問い合わせ先が異なりました。PCは、どんなメーカーの機種であっても、三菱HCキャピタルITパートナーズさんに連絡すればすみます。
西村氏 私たちのグループは会社ごとに異なる部分が多いので、仕組みを作っても、それに収まらないケースがどうしても出てきてしまいます。これまで私たち自身が経験してきたことなので、三菱HCキャピタルITパートナーズさんも対応が大変だろうということは十分に理解しています。それでも、こちらの要望についてはすべて三菱HCキャピタルITパートナーズさんにお伝えするようにしており、そのほとんどについて、できる限りの対応をしていいただいていると感じています。
私たちからの要望だけではなく、三菱HCキャピタルITパートナーズさんからも積極的に提案をしていただいています。経験上、今回のような枠組みでは、パートナー企業は受け身になりがちなのですが、三菱HCキャピタルITパートナーズさんは積極的に提案や意見を出してくれるので、その点でも信頼感を覚えています。
三菱HCキャピタルITパートナーズに対する評価とこれからの要望
ITインフラ管理統制強化へ、今以上の提案とサポートを。
西村氏 PCの調達から導入までの仕組みについては、当初やりたかったことの大半を達成できたと思っています。来年度以降の課題としては、Windows 11への対応や、資産管理の拡大があります。まずは、そこをどうするかについて、検討していく必要があるので、三菱HCキャピタルITパートナーズさんからの提案を期待しています。
PC資産の棚卸については、まだ一部にExcelを使った作業が残っているので、これが完全になくなれば「新しい仕組みへと移行が完了した」と言えます。そのためにも、「DREAMS」のWeb棚卸機能と進化に大いに期待しています。今はまだユーザーが試行錯誤する、こなれていない部分が残っていますが、三菱HCキャピタルITパートナーズさんがより改良を重ね、各ユーザーや部門の管理者が簡単にPCの棚卸ができるようになればありがたいですね。
脇氏 私たちのグループでは、スマートフォンも5,000台ほどあります。これらも「DREAMS」で管理できないか、三菱HCキャピタルITパートナーズさんに相談しながら運用を検討しています。ほかにも、いろいろな端末があるので、いつかはそれらも含めて、一元管理していきたいと考えています。
西村氏 PCLCMに関わる部分を三菱HCキャピタルITパートナーズさんにお願いするようになって、私たちシステム担当の負担は大きく減りました。今後もPCの管理と運用にかけるコストや手間を減らして業務を効率化し、本来のシステム担当が担うべきミッションに注力できる環境を整えていきたいと考えています。
私たちシステム担当にとってメインとなるミッションは、ITインフラのガバナンスを強化して、業務効率を向上させることです。PCをそろえることや、修理の窓口になることではありません。PCに関する業務の負担を減らし、メインミッションに注力するためにも、三菱HCキャピタルITパートナーズさんにはこれからも、より多くのご協力とご提案を期待しています。
三菱HCキャピタルITパートナーズ株式会社
第一営業部 営業第一課 山田 康貴(右)
※ 内容および所属役職等は取材当時のものです。
※ 2024年11月1日に、「ディーアールエス株式会社」から「三菱HCキャピタルITパートナーズ株式会社」に社名変更しました。
PCLCMサービス導入ガイド
「PCの導入や運用、管理など日々の業務に追われている」というお悩みをお持ちの管理担当者様へ。PC運用管理業務の負担を軽減できる「PCLCMサービス」についてご案内します。